企業買収の準備
- 企業の方針を明確にする 株主に報いたいのか?従業員を幸せにしたいのか?顧客に応えたいのか?既存の事業を発展させたいのか?新たな分野に進出したいのか?様々な事が考えられると思いますが、企業にとって何処に重点を置き、戦略を立てていくのかということは、会社を経営していく上で、とても重要なことかと思います。もちろんすべて重要なことですが、まずは優先順位をつけ、方針を明確にすることが大切です。
- 目標をたてる 優先順位をつけたなら、目標を設定する。 何時までにどれくらいの売上げを上げ、利益を出したいのかなど、数値化することが大切です。
- 目標達成に向けて 目標を達成するための戦略をたてましょう。 例えば、既存のビジネスを拡大するには、新たな営業網をつくる。であるとか。リストラして、効率化をはかる。であるとか。シナジー効果のある事業を興すかなどです。
- 予算組と時間軸 ここまでくれば後は、何時までに目標を達成し、その目標を達成するために用意できる予算はどれくらいなのか。を明確にしていくこととなります。
- M&A 目標を達成するために、M&Aにより、既に有益な経営資源をもつ会社を買収することで、自社で一から立ち上げる労力と時間を最小限に抑えることができます。また、実績を出している会社を買収することで、リスクの軽減を図ることができるのです。
- 買手によるM&Aの活用手法 新規事業への進出・新規技術の取得・販売網の拡大・規模拡大・人材の確保・川上企業の買収・川下企業の買収・業務提携したい など
会社を売却するにあたって
会社を売却したいと思っても、必ず買手がつくとは限りません。買手の見方、考え方を知っておくことは、トップシークレット事項をスムーズに進めるためにも大切なこととなります。
- 買収金額 売手は高く売りたい。買手は安く買いたい。と思うことは当然のことですが、売手には「今まで育ててきた会社だから」「こんなに優秀な従業員がいる会社なのだから」などの感情的な思い入れがどうしても強くなりがちです。しかし、買手は企業価値に感情を移入したり致しません。 売手のオーナーにとっては、時と場合によっては、辛く難しいことかと思いますが、客観的な目でご自身の会社を見てみて下さい。
- 財務諸表
決算書の内容は、買手にとっての買収判断材料として最も重要な資料となります。注目するポイントを挙げてみました。
- 現預金などのキャッシュの状況
- 借入金の状況
- 事業資産の特定
- 役員報酬・従業員の給与などの人件費
- 在庫回転率
- 帳簿に載っていない債務(簿外債務)
- 決算書では見えない評価損
- 株主構成 買手にとって、100%株式を取得できるのか、一部取得できない株式があるのか、大きな違いとなることがあります。買収後に好ましくない株主が残る恐れがでてくることも考えられるからです。
- 経営人の人柄 M&Aによって買収された後も、もともとの経営者が買手とともに経営に携わるケースは良くあります。特に、中小企業の場合オーナーの存在が大きい場合は、一定期間会社に残るケースは良くあります。 買手は、交渉相手として、また、ビジネスパートナーとして、売手の経営者が信頼できる人物かも見られます。